日曜日の朝、車に乗って6時半に家を出た。
こんな早くに出かけるのは、ゴルフに行く時くらいなンだけど、今日は違う。
犬の用事で、埼玉に行ったのだ。
昨年の12月、保護センターに収容されていたオスのジャーマンシェパード、6才。
飼い主が探して迎えに来てくれるのを待っていたが、殺処分期限が来たのでボランティアさんたちが引き出した。
そして、新しくこの子を迎えてくれる家族を探すことになった。
保護センターに収容されていた時のこの子は、迫り来る死の匂いと恐怖に、唸り、吠えていた。
職員の方には、凶暴な犬と思われていた。
凶暴なオスのシェパードじゃ、新しい家族は見つけにくいかな…と思ったが、蓋を開けてみればなんてことない、穏やかで人懐こい、気のいい子だったのだ。
初めて会った人の顔も、べろべろ舐めて歓迎してくれる。
保護センターという名の殺処分収容所、その異常な状況下に置かれた犬を見て、性格を判断するのは難しいことなんだな〜とつくづく思う。
8ヵ月半という長い間、埼玉の訓練士さんのもとに預かって貰ったお陰で、愛情をたっぷり受け、すっかり落ち着き、躾け訓練も、し直して貰ってすっかり立派なシェパード、星丸君になった。
私も、何度か会いに行った。
そンな星丸君の新しい家族を募集していた張り紙を、とある獣医さんの入口に貼っていただき、通りかかったシェパ好きな方とのご縁が繋がったのだ。
ご年配のご夫婦だけど、シェパード飼育経験は長い。
ご自分の年令を考えて、今から仔犬を飼ったら自分の体の方が持たないかもしれない。
きちんと看取る責任を考えて、5〜6才の成犬シェパを探していたという。
隣家には娘さんご一家がお住まいで、いつでも変わりに面倒を見てくれる。
その上、預かってくれていた訓練士さんは、この方の先代のシェパードの訓練犬担当だったという偶然。
訓練士さんが結婚して名前が変わり、引っ越していたのでお互い気が付かなかったのだ。
願っても無いご縁に出会い、何度か面会を繰り返してから、星丸君をお宅にお預けし、お試し飼育期間に入った。
勿論シェパードの扱いに慣れている飼い主さんと、躾け訓練の入った星丸君には、なんの問題もなかった。
一ヶ月ほどが経って、いよいよ正式譲渡の手続きになり、日曜日の朝、飼い主さん宅まで出向いたというワケ。
車が着くと、知らない車だったので星丸君張り切って吠えている。
でも訓練士さんと私とが声を掛けながら入っていくと、とたんにピーピー鼻を鳴らして甘え声に変わった。
飼い主さんは、先代の犬を亡くした時の話をしてくださった。
突然の胃捻転で夜中に獣医さんに駆け込んだ事。
そして、手術も甲斐なく死んでしまったショック。
その後、ご自身は落ち込んだあまり、あちこち体の具合が悪くなり、病院の診察券ばかり増えてしまったと笑っていた。
一人で散歩をしても寂しくてしょうがなかった…と。
そんなつまらない散歩の途中で獣医さんの張り紙を見つけ、書くメモが無かったので、電話番号を呪文のように呟きながら急いで家に帰ったという。
犬談義で笑ったり涙浮かべたり、長い時間、話し込んでしまった。
新しい飼い主さん家族と星丸君の写真を撮らせてもらったが、どの写真も星丸君を囲んだ人間たちは心からの笑顔で、星丸君も飼い主さんを見上げてシアワセそうに甘えてる。
本当の家族を見つけることが出来た、幸せな星丸君が、そこにいた。
飼い主さんも、初めてお会いした時よりも、明るく元気で若々しくなられたみたいと、後で訓練士さんが呟いた。
毎日朝晩、8キロ散歩して訓練しているそうだ。
星丸君は筋肉が付いて締まり、逞しくなったし、飼い主さんも年令など感じさせないしっかりした足取りで、星丸君をコントロールしていらっしゃった。
保護センターに居た星丸君を、凶暴なシェパードだって言うから…私は自宅で保護預かりができないから…そんな私が引き出すのは無責任だから…諦めようと、一度は思った。
でも、「応援するから頑張りましょう!」と背中を押してくれた人たちが居て、今の笑顔の星丸君が居る。
そして笑顔の飼い主さん一家が居るのである。
何人ものボランティアさん達が動いて救い出せた小さな命。
そしてその命に出遭えて、幸せになれた人間。
なんだかとっても嬉しくって、幸せのお裾分けをいっぱい貰えて、充実した早起きの日曜日になったのでした。
本当に良かったぁ!
2008年 8月
お盆明けたから、海に出た。
「クラゲいるよー。下、長いの穿いた方がいいよー。」
スクール仲間のアドバイスと、くらげに刺された傷跡を見せられたから、素直な私はウェットを着込んだ。
素足でいたら刺されたというから、ブーツまで穿いた。
まるで冬のように重装備な下半身。
薄い2ミリのシーガル・ウェットとはいえ、気温35度とかいうこの季節には、暑すぎる。
支度をしているそばから、全身汗だっくだく。
スポーツ飲料をグビグビ飲んで、いざ海へ。
一本行って帰って、降りて一休み。
暑い〜!と水に浸かると、
「あ〜、腕、水に浸けちゃ危ないよー。」
すぐそばで、他のスクールのインストラクター君が、ボードの上に立ち、股を広げて怪しい動き。
「どーしたの〜!?」
聞けば、水着のお股にカツオのエボシが絡みついたとか!
キャー、やっぱ居たンだ!本当だったねー!コワーイ!
すぐそばの海水浴場では、子供が水着で遊んでいるというのに、端っこの吹き溜まりなのか、ここらにはクラゲが流れてくるみたい。
クラゲに刺される危険を冒すか、暑いウェットで脱水症状の危険と闘うのか、究極の選択迫られるこの季節。
そンでもって翌日もまた普通に海へ。
今日もシーガルのウェット着て安心しちゃおぅ!
でもスポーツドリンク携帯して、水分補給しながらね。
今日は沖へ遠出してみよ〜ぉ!
いつものインストラクター先生と二艇で出発。
ズンズン沖へ向かって出て行く。
アタマん中に流れる曲は、ひょっこりひょうたん島♪
予想に反して、風は無く穏やかな海。
ハーネスワークのいい練習になる。
いつもならこの辺で、タックして帰るンだけど…。
わぉ、ウィンドしてる人の中で、一番沖にいるよ…。
海の色が黒くてコワイ…。
魚の群れがザワザワ泳いでる…。
何度かタックを繰り返して、沖へ沖へとひたすら進む。
時々セイルを落として休み、水分補給。
海に浸かって、涼む。
あー気持ち良い♪
水の中から突然、セミが飛び出した!?
海面すれすれをパタタタタ〜と飛んで、また水の中へ!
あれってトビウオ〜!?
鰯の群れが何か大きな魚に追われて、大騒ぎしてる。
ジョーズじゃないだろーねぇ?
逗子マリーナの沖まで来ちゃったよ〜。
あの建物で結婚式するのかな。
おぉ〜いっ♪
こんなに沖に来ちゃって、ワタシ帰れるンでしょーか…。
帰りって行きよりも、ラク?
日が暮れちゃったらどーしよう。
浜辺の喧騒から離れて、静かな海面をプカプカ進む。
大島には風が入って来てるらしいけど、まだここまで届いては来ない。
こんな海の上に、インディアンのテントみたいなモンが浮いてるょ。
逗子マリーナはここだよ!っていうマークらしい。
カモメが魚を狙って低く飛ぶ。
そして自己最高新記録の沖を、更新したのだ〜!
さぁ、それじゃそろそろ帰りましょうか。
ボードを下らせていくと、横波受けて難しい。
「行きはタックで風上に回転してきたから、帰りはジャイブで風下に回転して帰りましょう。」
え〜、そんなぁ…。
ジャイブなんてまだ人生で二回くらいしか成功してないンだからぁ。
それも半年くらい封印して、タックしかしてないンだからぁ。
タックでもいい? あ、ダメ? どーしてもぉ?
何度かジャイブに挑戦して、沈。
誤魔化しながらも、岸に戻ってきた。
波打ち際の足の着くところで、二回ほど挑戦するも沈。
う〜ん、また今度の課題に取っておこうっと。
とりあえず、今日は沖が更新出来てシアワセ〜♪
賑やかだった夏ももうすぐ終るので、これから毎週決めた曜日に、また海通いをしよう!と誓ってみた。
長年の課題であるウォータースタートをこなし、ジャイブなんちゃらが出来るようになれば、いっぱしのウィンドサーファーにもなれるだろーし?
いつのこっちゃか分からないけど、継続はそのうち力になると信じ、
「来週またね!」と、
つい口が滑って、言ってしまったのだった。
ど〜このぉ♪ 誰〜かはぁ、知らないけれどっ♪
湘南の平和を守る、スイカライダーに会いました。
本物のスイカにしか見えない、このヘルメットのスイカ柄。
でも、まっさか本物のスイカを被るハズはないだろ〜と。
でもこのスイカライダーさんの好物は、三浦スイカだそうで。
もし見かけたら、コンコン!と叩かせてもらってください。
ウチにもいました。桃猫でしたが。
風、毎日、吹いてます〜!
ウィンドサーファー、大喜び♪
でも、「お盆は海に入っちゃいけないよ!」って子供の頃から教えられてきた私は、いまだに言いつけを守ってます。
昨日の朝、美容院に行こうと玄関に立った私。
すると、玄関のドアを前足の爪で引っ掻く、聞き慣れた音が数回。
(アレぴょは上に居るし、タイラーも寝てるし。風のイタズラ?聞き間違い??)
でもハッキリと、犬が前足で(開けてよぅ〜と)ドアを引っ掻くクリアな音がまたしてる。
(なんだ〜?どっかよその犬でも入ってきてるのかな?)
急いで靴を出して穿く。
ガチャ〜ン!と門の閉まる音。
外に出て見る。
誰も居ないし、動物も居ない。
いつもの朝の平和な風景。
だいぶ離れた所を、ゴミ袋持ったご近所さんが歩いてる。
(?????)
後で、ゆっくり考えてみたら、判った!
「ナッシュだぁ!」
ナッシュが遊びに来たンだぁ!
ウチを忘れずに、会いに来てくれたンだね〜!?
お盆はそンなことも起きるので、やっぱり海には入りません。
ホームスティも半ばを迎え、お互いに緊張も解け、冗談も飛ばしあいながらかなり打ち解けてきた。
アレぴょもタイラーも優しい彼女達にすっかり慣れた。
キムはタイラーのことを良い子だととても気に入ってるので、
「それじゃお土産に持っていく?」
それ以来、<タイラーは私のスーベニア>と言って、ベタベタに可愛がっている。
ポーちゃんは、キムの膝に飛び乗り、ご飯の邪魔までしている。
<ぽ〜ちゃん!>
<ポーちゃんは、他の猫とはちょっと違うね?>
キムはかなりの猫使いで、猫の性格を見事に見抜いてる。
そんなポーちゃんは、キムのお気に入り猫の一番になってしまったようだ。
こうなってくると、帰る日がちらついてくる。
今までのホスト経験からして、絶対に涙は付き物だから、考えたくないお別れの日。
限られた時間の中で、日本で行ってみたいところはどこかある?
私たちのプランはね…。
あれこれ相談し、疲れ具合も見ながら有意義に過ごしてもらおうと欲を出す。
さぁ、後半に突入だ!
日曜には、日本、アメリカ、カナダの三国親善というイベントがあった。
それぞれの地域別に、特色のある出し物で歌ったり踊ったり。
ノリの良い拍手喝さいで、大いに楽しんだ。
翌日は、義妹が来てくれて、北鎌倉を散策。
女性4人のゆったりリズムで、精進料理のランチをとり、お寺を巡った。
でも、彼女達は暑さもあって少々お疲れモード。
早々に引き上げ、夜は、葉山の花火を家から見物。
翌日は、またバスで連れて行ってくれる東京遠足だ。
浅草、江戸東京博物館、皇居に行ったそうだ。
次の日、疲れもあると思ったけど、大丈夫!という彼女達が選んだお出かけ先は、動物園だった。
象さんが大好き!というメルの希望で、金沢自然動物園に行く。
動物園なんて、何十年ぶり!?
行ってみると、かなり楽しい♪
彼女達が一緒じゃなけりゃ、来なかったね〜、感謝!
その晩は、逗子の花火大会。
家から見物しながら、友人一家も呼んでBBQを楽しんだ。
友人は、イギリス人のRさん一家。
当たり前に英語が飛びかう、ミニパーティだ。
彼女達はまったく日本語を話さないから、日本人同士も会話は英語で話したりする。そうすると、彼女達にも理解できるから一緒にウケてその場で笑い会えるしね〜。
ボキャブラリーの少ない私は、中学生英語の域だけど、その狭い範囲の中で、精一杯おしゃべりを楽しむのだった。
翌日は、早くからディズニーランド遠足に行く。
混んでると思うから、暑い中、何時間も並んで待つと思うよ。
たくさん乗れると良いねー。
帰ってきた彼女達は、(チップと)デイルと、熊のプーさんに出てくる子豚の何とかってキャラのカチューシャを着けていた。
一緒にお迎えに行ったアレぴょと、車のバックミラーを覗くと、三人の立ち耳が見えて可笑しかった。
それがかなりお気に入りの様子で、車の中も、ご飯の最中も、夜寝るまでずっと着けてはしゃいでた。
家で、たこ焼きをやった時は、結構楽しそうだった。
「ほら、みんなでやらないと!」
見よう見まねで引っくり返すたこ焼きに、遊び感覚で面白かったようだ。
もちろんキムは、タコの入ってない、「焼き」だけ。
でも一番興味深かったのは、回転寿司に連れて行った時かもしれない。
回るお寿司は初めて見たし、地元には無いと写真撮って大喜び。
メルはいつもより沢山食べていたし、キムもお稲荷さん、干瓢巻き、玉子焼きと食べれる物があって良かった。
わさびの辛さに鼻を押さえることも覚えたし、先にネタを外して覗き、わさびが多かったらお皿に取り出して食べるようにしていた。
でも最後に2人は、その取り出したわさびだけを食べられるか、500円を賭けてキャーキャー言いながら鼻を赤くして食べていた。
帰国日前日、最後に行ってみたい所に選ばれたのは、絶叫マシンに乗れる、富士急ハイランドだった。
行きは渋滞が多くて3時間掛かったが、あまり暑すぎず、乗り物もそんなには混んでなく、次々と絶叫マシンを制覇していった。
始めのうちは、せっかく乗り放題券買ったことだし…と私も参加したものの、何十年ぶりに乗ったマシンのその余りのスリルに、絶叫してるうちはまだ余裕のある時で。
まぢでヤバイでしょ!っていうカーブとか体が浮いちゃう恐怖には、必死で腕力振り絞っていたものだから、すっかり参ってしまった。
あとは、カメラマンに徹するのみ。
それで充分楽しめた。
最初は乗り物を見て、すっかりビビっていたメル。
<コワイ、私は乗れそうもない>
「じゃ〜、私と一緒に機関車トーマスランドかな〜♪」
ところが一つずつ乗り物をクリアしていくうちに、
<私は、これはなんともなかった。怖くない>
なんて、言い出すメル。
最後はすっかり笑顔で、
<楽しかった!今日は有難う!>
仕上げは、富士急の中にある、ふじやま温泉に浸かる。
温泉も行ってみたいリストに入っていたから、丁度良い。
初めての温泉に、戸惑うが、露天風呂や岩盤浴も楽しんだ。
次々といろんな事に快く挑戦し、体験し、思い出話は沢山できたと思う。
2人が二週間使ったお箸は、朝食に焚きたてご飯を食べた後、洗って、お土産に持たせてあげた。
沢山とった写真は、CDにしてあげた。
おみやげで、バッグをパンパンに膨らませた2人と、とうとうお別れ式の場面になった。
お別れは言いたくないから、なるべく他の話題で明るく話してた。
彼女達の歌を聴いて、目頭が熱くなった。
でも、誰にも気付かれないよう、堪えた。
突然、メルディッシュが、私の目を覗き込んで言った。
<本当にお世話になりました。ありがとうございました。>
「だめー!それ、言っちゃだめなンだってばー。」
そう言いながら、もう涙が溢れた。
メルは16才なのに、まるでお母さんがするみたいに私を慰めるように抱きしめた。
「また日本に来る時は、ウチに滞在してね!」
<うん!またすぐ来る!>
「今度は兄弟姉妹とおいでー!」
<お兄ちゃんは来たがってるから、来るかも。>
「来年来る?夏は暑いから、秋か冬にね。そしたら今度はスノボーしよう!」
<カレッジに入ったら来ようかな>
バスに乗り込むまで、何度も何度も代わる代わるハグして泣いて…を繰り返した。
もしかしたら、もう二度と会うことは無いのかもしれない、私の娘たち。
彼女達の第一印象としての日本は、どう写ったのだろう。
普段どおりの生活を体験させてあげるのが、本来のホームスティなのに、つい張り切りすぎてやりすぎてしまったのかもしれない。
バスを見送り、家に帰ったあと、ちょっとひと休みと思ったとたん、3時間も昼寝してしまった。
夕飯を食べた後、もう寝られないかと思ったら、すぐにぐっすり寝てしまった。
体年令は若いつもりでも、疲れは正直なのであった。
おまけに昨日のジェットコースターでしがみ付いてた腕の筋肉痛で、アタマも痛い。
若い彼女達は、もう復活してるのだろうか。
暑い夏の大騒ぎが終ったあと、朝の散歩で吹いた風は、もう秋の風の匂いがしていた。
<またの来日まで、一休み>
今日、梅雨が明けそうだと気象庁が言ってた日、アメリカ・カナダから続々と170〜180人の高校生達が到着した。
5箇所の学校からの来日なので、飛行機の到着時間によって、時間差で、学校で対面式が行われる。
我が家に来る子達は、アメリカのペンシルベニア州ランカスターからやって来た。
写真で見た印象よりも小柄なメルディッシュと、ハキハキしているベジタリアンのキンバリー。
とても礼儀正しい2人は、ちょっと緊張しながらも一緒に記念写真に収まった。
所用で来られなかった夫に代わって、息子Aが荷物を車に運んであげてる。
先生達が、懐かしがってあちこちから声を掛けてくる。
出来の悪い子ほど、可愛いってコトか〜?
家へのドライブ中、アレコレ話す。
これから30分くらいでウチだよ。
飛行機での旅はどうだった?
何時間かかったの?
<飛行機は14時間だけど、家からだと22時間!?>
何回、食事出た?<5回は食べたかな♪>え〜!?
今は、向こうの時間で何時?<時差14時間だっけ?夜中かな>眠いよね〜。
私よりは話せる息子Aの英会話が、だんだん調子良くなってくる。
私は、一つずつ噛み締めてゆっくり話すけど、途中で解んなくなる事もしばしば…(-_^:)笑ってゴマかす。
家に付いて室内を案内し、犬猫たち8匹の紹介もする。
夕食時間だけど、軽く食べさせて、とにかく今夜はもう寝た方がいいよ!と、すぐに休ませる。
明日はゆっくり寝てていいからね。
翌日、少し遅めに起きてきた彼女達。
使ってないノートパソコンを用意して、息子がいつでも使えるようにセットしてあげたら、喜んでメールしていた。
今日は時差の疲れもあるから、のんびりしていようね。
お箸を使うの二度目という彼女達、お昼の素麺を苦労してツルツルと食べた後、近所の地理を知ってもらうため、散歩に出かける。
この道を右に行くと海、左に行くと駅があるの。
ここが駅、この小町通りは有名な観光地、ここらで一休みして何か飲もうか?
氷イチゴミルクに挑戦する2人。
やっぱ夏は氷だね〜。
ベロを赤くして喜ぶ。
そして八幡宮で偶然にも神前結婚式に遭遇し、しばらく真剣に見入ってた。
翌日は、海に行ってみた。
ボディボードをやってみるけど、あまりにも波が無い。
じゃ〜お次はパドボーだ!
ぶきっちょなのか、スポーツは得意でないのか、潮に流されるのか、何度も海水浴場のロープに引っかかって笑い転げる。
それでも諦めずに夢中で遊んでる。
近くに海が無いという彼女達にとっては、楽しかったのだろう。
日が暮れるまで遊んで笑って、野菜たっぷりBBQで夕食。
次の日は、学校で、父母の会主催のカルチャーディ。
日本の文化を紹介する日で、折り紙、浴衣、七夕の短冊にといろんな遊びで楽しませてくれる。
帰ってきた彼女達は、TシャツにGパンの上から、貰った浴衣を着てスニーカーで歩き、満足そうだった。
その姿のまま、ケーキやさんに行き、可愛い♪とケーキのオマケを貰ったり、スーパーでおばあちゃまに褒められたりして更に嬉しそう。
翌日は、ウィンドサーフィンに初挑戦。
いつものインチキラクター先生は、手の甲にマジックで
「キンバリー、メルディッシュ」と名前の覚え書きをし、思いっきり日本語で堂々と説明し、見事に通じて教えていた。
そして、道具が良いのか、風が良いのか、運が良いのか?初めてでもなんとか少し走って、コレまた満足の彼女たち。
そして午後は、車で回る大仏と長谷観音。
「男性のブッダと、女性のブッダ」という、人には聞かせられない適当な説明で切り抜けた私。
ブッダのなんたるかを知らず、カメラも持たずに行った舐めた二人は、ブッダの大きさに圧倒されて、慌ててお土産やさんで使い捨てカメラを買ったのだった。
次の日は、学校で連れて行ってくれる横浜遠足だ。
三渓園、中華街、シーパラダイスなどへバスで連れて行ってくれる。
「お昼は何食べたの?」
<クレープ!ストロベリーアイスクリーム、チョコレートなんとかかんとか…>
それはご飯じゃないだろー!?
なるべく栄養のバランスも考え、肉と魚の食べられないキムの為、献立には気を遣った。
でも基本的には、付け合せになる野菜をメインにしてあげれば、喜んで食べていた。
初めての物でも、2人ともちゃんと挑戦している。
納豆も、海苔も、梅干も、緑茶も、お豆腐も、もちろん白いご飯も、気に入って食べてくれた。
たまには外食しよっか〜?
何食べたい?
イタリアン、焼肉、回転寿司…。
<ら〜めんっ!>
日本のアニメ、コミック、テレビゲームが大好きなキム、どこで覚えたのか、ラーメンをご希望。
由比ガ浜通りにあるラーメン屋さんに行ってみる。
いつもは混んでるお店にすんなり座れ、お水を飲みながらメニューを説明。
そこで重大な問題発生。
すべて鶏、豚などのダシでスープが作られているのだ。
キムに説明して、食べられる?と訊くと、首を横に振った。
「全てこのダシのスープになるンですよね?すいません…、また来ます。」
そそくさとお店を出て、お向かいのレストランへ。
フランス家庭料理のそのお店で、ベジタリアンにも食べられるよう詳しく説明して、特別に調理をしてもらう。
時間は掛かったけど、地元鎌倉野菜のグリルなど、美味しい野菜料理が並んで、キムも満足していた。
大変でしょ〜?と言われるけれど、野菜中心の食事は私たちの体にも良い効果があった。
体脂肪が落ち、体重も減り、体年令が若返ったのだ。
思わぬダイエットが出来て、肉食よりお金も掛からないし、これは良いよ!とキムに言ったら、笑ってた。
100均や大型電器店に連れて行ったら、
<クレヨンしんちゃん!なると〜!どらえも〜ん!ぴかちゅー!>…とキャラを良く知っていて、驚いた。
嬉しそうにDVD売り場で座り込み、あれこれ眺めては喜んでいた。
息子Aが休みの日、2人をアキバと上野に連れて行ってくれた。
オタク系なキムにとって、アキバは天国だったに違いない。
アメリカの女の子がこんなに日本のアニメキャラを熟知し、ゲームに嵌っているとは思いもよらなかったのだった。
<さらに、たぶんまた明日〜!>
我が家は家族4人のうち、3人が同じ中学高校卒業生。
その愛する母校の為、父母の会やら後援会、同窓会など、息子の在学当時から今でも何かと関わりがある。
元々がお節介大好き、お祭り大好きな性格だからなンだけどね〜。
そんな深い愛着のある学校から、7月に入ったある日、お電話があった。
アメリカ・カナダから来る高校生のホストファミリーが足りないと。
この学校では、高校一年のG.W.に、アメリカかカナダに2週間ホームスティに行く研修旅行がある。
一学年全員が2人一組ずつのペアになって、異国の学校の学生家庭にお世話になるのだ。
今ではいろんな私立高でよくある事だが、母校で初めて渡米した40数年前には、高校生の研修旅行としては常識では考えられない事だった。
そしてそのお返しに、お世話になった学校の生徒を夏休みに日本に招いて、同じく2週間のホストファミリーをする。
これが40数年経った今でも、毎年欠かさず続いているのだ。
初めての国際交流経験として、思春期の子供達には、お互いに一生忘れられない体験となる。
受験英語とは違う、意思疎通に必要な英会話を学ぶ貴重な経験だ。
今年は、在校生だけではホストファミリーが決まらず、土壇場になってOB家庭にも受け入れのSOSが出た。
よぉっしゃあ、なんとかなるさっ!楽しそうだしぃ〜♪
…と、電話で二つ返事の、「OK!」をした。
自分が学生だった頃と合わせると、4回目のホストファミリーになる。
だいたいやることは分かってる。
問題は、錆び付いた英語と、気持ちに追いつかない体力か〜?
一に愛嬌、二に度胸、三四が無くて五に電子辞書。
話があってから、来日まで約二週間。
大慌てで、「客間」と言う名の物置部屋を片付け始める、真夏の大汗・大掃除となった。
そして、学校から二度目の電話。
申し訳け無さそうに言われたのは、「ベジタリアンの子なんですけど、いいですか?…」
「?」
以前、友人が、ギーガンとかって言う、完璧なベジタリアンの子を預かって、そりゃもう大変だったと言ってた。
肉・魚・卵・乳製品、すべて食べられない人を確かそんな風に言うらしい。
そこまで徹底しているのかよく分からないまま、「まっ、経験さっ!」と、コレまた簡単に覚悟を決めた。
学校から送られてきた2人のメールアドレスに早速、「我が家がホストするよっ!よろしくね〜♪」の家族紹介をメールした。
翌日、2人からすぐに返事。
「ベジタリアンだから、受け入れを考えられてしまっていたようだけど、決まってウレシイ。
卵や乳製品、豆腐は大丈夫。」と言うので、ホッとする。
もう一人はなんでも食べると言う。
我が家の家族写真も添付して、
「豆腐なら美味しいのが沢山あるから任せとけ!
食べられるか、そのたびに訊くから教えてね。
水着を持ってたら、忘れずに!」と伝える。
2回、メールをやり取りしたら、もう来日の日になっていた。
でも昔ならエアメイルに4〜5日は掛かっていたンじゃないかな。
なんとも便利になったモンだ〜。
アメリカからやって来る女の子2人に、可愛らしいピンクの花柄のお箸を二膳買った。
どこへ連れて行こうかリストも作成した。
近場の花火大会の予定も書き込んだ。
そして、いよいよ来日の日を迎えた。
<たぶん?明日に続く>
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