「キャイイィーンッッ!」夕食の準備をしていた時、ナッシュの悲鳴が響き渡った。
いつものように、夕方のお昼寝をしていたナッシュ。
駆けつけた私の目に飛び込んできたナッシュは、腰から下が麻痺していた。
変な寝方して足が痺れたのか!?
でも、尋常でないその様子、パニックになって転げまわるナッシュを膝に抱いたまま獣医さんに電話し、すぐに来て貰った。
腰が抜けた状態、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、股関節脱臼、いろいろと病名は推測され、注射や投薬などの治療がなされた。
腰から下の両後ろ足と尻尾は、ブランとぶら下がったまま、全く力が入らなかった。
目は見開き、呼吸は荒く、前足は、痛さからか突っ張ってばかりで、体は後ろに倒れてしまう。
このまま、命が燃え尽きてしまうのか!?
翌々日、息子が掛かっている人間の整体に運び込み、先生にお願いして診て頂いた。
そして触ると痛がる腰のヘルニアと、股関節の亜脱臼を治して頂いた。
ボキボキとはやらず、静かにさする治療。
それまで、痛さで夜も良く眠れなかったのだろう。
治療を受けながら、なんとナッシュはとても気持ち良さそうに寝てしまった。
痛みからは解放された。
犬好きで犬の治療もしてくださるその先生は、大きな体のナッシュを運ぶのは大変でしょうからと、それからはなんと週に1〜2回我が家に通って来て治療して下さるようになった。
「後ろ足に微妙ですが感覚はあるようだから、これは大丈夫、治ります!
最悪の場合、車椅子になるかもしれないけれど、せめて家の中くらいは、自力で動けるくらいにはしましょうね!」
整体の先生にそう励まされ、カッコイイ犬用車椅子に乗ったナッシュが、ドッグランを爆走する日を思い描いたりしてみた。
お天気の良い、暖かい昼間には、私がナッシュの腰をバスタオルで吊り上げて持ち、前足はちゃんと自力で歩いてベランダまでお散歩し、日向ぼっこもしたりした。
風の匂いをクンクン嗅ぎ、太陽のぬくもりを背中で楽しみ、ナッシュは幸せそうに微笑んでいた。
嬉しいナッシュは、後ろ足を伸ばしてペタンと座り、足の指をニギニギと動かしてみせた。
尻尾もプリッと動く。
よし!どんどん良くなってるぞ〜。
〜つづく〜
※次回の更新は1月26日(木)です。お楽しみに。