Vol.70

ETC

私は、車を運転する機会が結構多い。
と言っても、歩いて片道30分位なら迷わず歩いて出かけちゃう。
駐車場が無いところにも、まず乗ってかない。
路上駐車違反に賭ける勇気が、小心者の私にゃ〜あ無い。
罰金と比べれば、タクシーに乗った方が安いし!、タクシーに乗るならもったいないから歩いちゃおうとも思っちゃうし!?

18才で免許を取って以来ウン十年。
無事故、2違反(若かりし頃に右折禁止違反を2回)と言う、超優良ドライバー、黄金色に輝く免許証だ、エッヘン!

ここで言い訳。
この右折禁止の一つは、夕方だけ曲がれなくなる道で、運転していた軽自動車には時計が付いていなかったし、腕時計も持っていなかった。
そして、そこはしょっちゅう取り締まりをしているドル箱な場所だったのだ。
「ハイッ、こっちへ〜♪」と物陰から出てきた警官に、「そこにいたンなら、もう入れない時間だと教えてくれればいいのに。」と喰って掛かった。
警官は、「取締りと警戒は違います。」とあっさり言った。

もう一つは、ちょっと前までは右折できた道。
前を走ってたタクシーが右折して行ったので、なんの疑いも抱かず後について曲がったら何故かタクシーは道の真ん中でストップ。
危ないコトするなぁ、ったくぅ〜、お客さんが道案内を間違ったのかな〜?と追い抜いた。
そしたら後ろからパトカーが私を追いかけてきたのだ!
捕まると自分の非は棚に上げて、悔しさだけが大きく残るので、それからは捕まんない運転をするコトにした。

私は、なるべくなら下の一般道路をポコポコ走るのが好きだ。
でも、それもアクセルとブレーキの繰り返しでガソリンは喰うし、環境汚染の原因。
もう少ししたらエコカーが当たり前になって、環境に優しい車が走り回るンだろう。

高速道路で事故った時の方が大事故になりそうで恐いけど、ポイントとポイントを移動する時には、高速は便利だ。
今までは、ハイウェイカードを使っていたが、このたびとうとう憧れのETCなるモノを付けてみた。

ドキドキ!で初めてカードを入れてみる。
矢印の方向で入れてみたら、「カードをもう一度確認してください。」と言われる。
この機械、猫のポーちゃんに似て、よくしゃべるのだ。
出かけようとしている時だから、数分間、頑張ったけど諦めて出発。最初っから不良品かぁ!?
隣に座った息子に説明書を渡してハンドルを握る。
老眼が始まってからは、説明書というモノを読む気になれないのだ。

あ〜でしょ?こ〜でしょ?と、説明書を読んでた息子、「カード、裏返しに入れてみて。」
試してみれば、これが大正解!
普通、裏返しに入れるとは思わないでしょ〜ォ!?変なの〜ぉ〜。

「ETCカードを確認しました!」
機械の声に、思わず「イェ〜ィ♪」と、雄叫びを上げる。
さあ、高速道路に乗ってみよう〜!

まずは心配だから、ETCと一般の両刀使いのゲートを通ってみなくっちゃ。
そう言いながら高速道路の入り口ゲートへと近づいてみれば、「ETC専用」か「一般」しか無い。
うう〜、ど〜しよう、ETC専用に入っちゃってホントに大丈夫かなァ〜!?

ドキドキしながら、20キロまで減速して近づいてみる。ソロソロソロォ〜〜。。。
ッピッ!
バタンッ!
開閉バーが音を立てて勢い良く開き、我が愛車を歓迎してくれたっ!
ようこそ、ETCワールドへっ!!

ひゃっほぉ〜い!
いぇいっ!!
思わず隣で手に汗握って乗っている息子と一緒にガッツポーズで叫んでたっ。

タダで通して貰ってるみたいで、いいねぇ〜。
特別待遇を受けてるような気がするねぇ。
こりゃあなんだか楽しいねぇ〜。
出口でも同様、ドッキドキの通過と、「料金は600円です。」を聞きながら、そんなコトまで教えてくれるンだ、なんてお利口なのぉ〜!?と感心しつつ、にっこにこガッツポーズでイェ〜〜イ!

時速20キロに減速して通過するようにって書いてあるけど、他の車はもっとスピード出たまま通って行く。
40キロ?50キロくらいで通ってるよぉ〜!?すご〜い!
でも私にゃそんな度胸がないなァ、もし開かなかったらど〜すンのよぉ〜!?
そこまで機械を信用できないよぉ。こっちが壊れてなくても、あっちが壊れてる可能性だってあるし、バーにぶち当たったら、恐いじゃ〜ん。アレ、簡単に折れるのかなぁ〜?

そんなこんなで少し慣れてきた3度目の使用日のコトだった。
カードを抜いて駐車した後、帰り道に高速に入った。
迷わずフフフ〜ン♪とETC専用入り口に入って行き、バーが開くと思ったその瞬間!バーは開かず拒否されたっ!?

!?なんでぇ〜っ?!
カードを入れ忘れていたのだった。。。
車を止め、慌ててバッグからカードを探し出し、入れたけれど、後の祭り。
感知器を通り過ぎていた!?

後ろの車がキレてクラクションをビーッ!ビーッッ!!ビーッッッ!!!ビーッッッッ!!!!鳴らし始めた。
そう言われたってビー!、バーが閉まってるからビー!前へ進めないしビー!、バックもできないビー!。どうしたらいいのっ!?ビー!。

料金所のスピーカーで、ビー!、係員のおじさんが、ビー!、何か言ってる。ビー!、クラクションの音で聞こえない。
ビー!え〜っ?何て言ってンのォ〜っ?ビー!窓、開けなくちゃぁ〜!
ビー!「チケットを取ってください〜っ!」ビー!
チケットを取るつもりで進入して来てないから、ビー!、ドアを開けて外へ出ないとチケットに届かないし、ビー!、シートベルトがそれを阻止する、ビー!。サイドブレーキも、ビー!引かなくちゃ。ちょっと待ってぇ〜!!ビー!

低血圧の私だが、この数秒間で、かなり上がった血圧になれたと思う。
ナニをどうしたのかワケ解らずアタマん中は真っ白、高速を降りた後まで心臓が口から出そうな勢いでドキドキしていた。

あ〜ぁ、やっぱ文明の利器って油断できないビー!。