また、不幸な犬たちがレスキューされた。
ジャーマン・シェパード7頭だ。
日本で第一人者と言われるほどのブリーダーさんが、自らの入院の為、犬の数を減らそうと要らない犬たち数頭を保健所へ持ち込んだ。
長年、数多く、良血統のシェパードを育て、展覧会であらゆる賞を取るなど、犬に造詣の深い、犬をこよなく愛したであろうブリーダーさんなンだそうだ。
飼い主である人間も生き物だから、病気にもなるし怪我もする。
そうなった時、飼っている動物の世話を頼める人がいないと、ペットホテルなどに預けることになる。宿泊費用はかなり掛かるから、大型犬や長期になるととても高額になる。
それが無理なら、新しい飼い主さんを探すか、保健所(動物管理センター、愛護センター、保護センター)に連れて行って職員の方に託し、炭酸ガスによる窒息死をさせてもらうか、獣医さんで注射による安楽死をさせることになる。
それが飼い主としての責任の取り方なンだろう。
純血種の仔犬なら、ちょっと探せばすぐに貰い手はみつかる。
無料で見た目の良い犬を貰えるとなると、欲しがる人は大勢いる。
でもシェパードのように大型で飼うのが難しい犬種や、成犬、MIX犬の成犬は、新しい飼い主さんを見つけるのに時間がかかる。
このシェパードのブリーダーさんも、シェパードの譲渡は、なかなか幸せにできないと考え、管理センターでの殺処分を選んだのだった。
ところがどっこい、それを知ったボランティアの人たちは、想像を超えたすごい力を発揮したのだった。
目に沁みるほどの悪臭
まばらに生えた被毛
幾重にもこびりついてガチガチに固まっている糞尿
全ての骨を数えられそうな削痩
筋肉がないためくっついた膝とかかと…。
個体識別の為、シェパードの耳には刺青で番号を入れるのだが、その番号を消すかのように右耳を切られた、誰もが思わず身を引いてしまう、そんな状態の犬たちを引き取り、愛情を込めて手当てをしているのだ。
この事実を世間に伝え、新しい飼い主を探す為、
「ボクらの声を聞いてください!」というHPが立ち上げられた。
そして単犬種レスキューの必要性を提案し、社団法人日本警察犬協会に対して、署名活動も始まっている。
難しい犬種の場合、その犬種を熟知した人たちによるレスキューがあって然るべきだ。
使役犬、繁殖犬として利用したのなら、そのお返しとして、今度は恩恵を被った人間が助けるのがスジでしょう。
そして、もう一つのレスキュー。
「この柵の向こう側」がある。
一人で80頭の犬を飼育する男性の現場だ。
何より問題なのは、虐待と言えるほど無責任な飼育と、それに対して動物愛護法の適用が公的機関のどこからもされないこと。
警察、保健所、動物保護センターへ相談しても、動いてくれるところは一つもなかったそうだ。
ここでも、動物愛護法の適用を求めて、小田原警察署、環境省、神奈川県庁、動物保護センターへ提出する署名活動を起こしている。
殺人など凶悪な事件を起こした犯罪者で、動物を虐待したことがある人は多いそうだ。
小さな虫を苛め、小動物を痛めつけ、そして対象は人へとエスカレートするであろうその残虐性。
決して見逃さずに、悪の芽は早急に摘み取って欲しいと切に願う。
嘘つきが泥棒の始まりなら、動物虐待も殺人鬼の始まりなのだ。
動物だけじゃない。
自分の子供に向ける虐待の地獄が、ついこの前もみつかった。
鬼畜のなせる業だ。
ちょうど「It」という本を読んだばかりだったので、同じことが現実に起きたことがショックだった。
なぜもっと早く、なぜもっと誰かが、助けられなかったンだろう。なぜ?なぜ!?
みんなが他人事だと思わず自分の子供だと思って、立ちはだかる壁に体当たりしてでも突破すれば、こんなに酷いことにはならなかったハズ。
虐待に気付いていながら救わなかった周りの大人たちは、その責任と罪を自問すべきじゃないだろうか。
もっと世間体って、オッカなくっていいンじゃない?
もっともっとキビシイ・オジサン、ウルサイ・オバサンになろうよ、みんな。
嫌われたっていいじゃない、それで救われる命があるンなら。
もうこれ以上、こういう辛い事件が起きないように、日本のオトナ達はもっとうんと熱くなろうよ!!
犬のブリーダーさんは、犬を使ってお金を手にした。犬はお金を稼ぐモノだから。
レスキューしたボランティアさんは、無償で感動を心に感じた。犬は愛すべきイキモノだから。
子供の虐待を助けられなかった大人たちは、今、何を感じてる?
これでいいのか?日本人!?