Vol.53

湘南モール・フィル

辻堂に用事があって車を走らせたことがあった。
夏の終わりの暑い週末。
こんな日は、ぜ〜〜ったい海岸の国道134号線は渋滞してるに違いない!

時間の約束があったその日、私はカーナビの言いなりに従って車を走らせた。
カーナビは時々平気でウソをつく。
ど〜しても遠回りをさせようとしたり、理由もなく曲がれと言い張ったり、進入禁止を入って行け!と命令したり。

「ルートを外れました。」って責められるケド、知ってる道なら反抗もできる。
でも初めての道だと、明らかなウソ以外は素直に従うしかない。
3年前のカーナビは、感度が鈍いのか、渋滞情報もいい加減になり信用はかなり薄い。
そんなカーナビのいいなりに藤沢の駅前の混雑に突っ込み、焦りながらJRの線路際を走っていた。
約束の時間を過ぎていた。

突然、右手に大ショッピングセンターが出現した!
私は一人、ハンドルを握り締め、叫んでいた。
「なんじゃぁ、こりゃあぁぁ〜☆」
松田優作氏が舞い降りた。

と〜〜っても気になったケド、運転中でロクによそ見も出来ず、まして急いでいたので寄る事も出来ず。かろうじて読めたのがトイザラスの文字だけ。
すっごく残念に思いながらも通り過ぎ、帰りに良く見ようと思ったけど、帰りは海岸の国道を帰ってしまい見られなかった。
う〜む。なんだったンだ、ありゃ〜〜。
そのまま、あの大ショッピングセンターが夢の御殿のように思え、果たしてまた行けるのか、現実にホントにあるンだか、だんだん信じられなくなっていた。

そんなことも忘れつつあったある日、近所の友人が言った。
彼女とは中学に入った時からの友人である。
寮の部屋も学校のクラスも一緒。これはもはや友人というよりは姉妹の域だ。

「ねぇまた買い物行こうよ〜。」
「うん、いいよ、ユニクロ?」
「う〜ん、ベイサイド・マリーナにも行きたいな。あ、そ〜だ、私、行ってみたいトコあンのよ〜。つ・じ・ど・お。」

つじどお?なにそれ?
それが、アノ、夢の御殿の大ショッピングセンターなのであった。

う〜ん、どうやってあの道に行ったっけ?
記憶を辿るもさだかでなく、恐る恐るカーナビにお伺い立ててみれば、文句も言わず、キッチリと連れて行ってくれたのであった。

その名は、「湘南モール・フィル」なんだそ〜だ。
103コもショップとレストランがあり、家電や生鮮食品やおもちゃ等の大型店舗もいくつも入っていて、とても一日じゃあ見きれない。
ここは、湘南主婦のワンダーランドなのだった!
うひゃひゃ〜っ♪

まずはお昼の腹ごしらえ。
一階のグルメコーナーへ行ってみると、平日だってぇ〜のに順番待ちの人たちがお店の前に立っている。

我儘な、待てないオバサン二人は、とにかくすぐ入れるお店って探し、それでもほとんど満席だった京うどんのお店に決める。
牛しゃぶサラダそばっていう、新しぃモン好きの私の挑戦。結構イケル。
このアイデアはイタダキだ。自分でゴリゴリしたすりごまと、たっぷりのごまだれが美味しい。
今日は使わなかったケド、とろろ昆布がテーブルに置いてあって好きなだけ掛けられるってステキなサービス付き。

さあ、食後は勇んで歩き回る。
服やバッグ、雑貨。
見るものありすぎ。楽しすぎィ〜♪

ブタさんキャラのお店は、服からバッグからみんなブタさんでカッワイイ。

「このバッグ、アタシには似合わないケド、アナタは似合うわ。」

「ちょっと待ってよ、アタシには似合うって、それ褒め言葉なの、ど〜なの?」

でもブタさんの顔になってるバッグについ一目惚れして買ってしまいました。イイトシした私なンですけど。

疲れて一休みって見つけたお店は、なつかしい元町の三月うさぎ。
ケーキとコーヒーで、しばし、おしゃべり。

ここは2フロアーのショッピングセンターなのに、ゆっくり見てたらとっぷり日が暮れた。
さあ、主婦は我に帰り生鮮食品売り場へ向かう。
これがまたドでかい、広い、品物多すぎ。
そして何やら安いじゃあないの。

あっちウロウロ、こっちウロウロ。
でも、奥さん、時間が・・・。
うう〜、残念、もう、家でゆっくり料理する時間がないわねぇ〜。
仕方ない、こうなったら、出来合いのお惣菜コーナーのお世話になりましょう〜!
おすすめの30円引きシールが私を呼んでいるンだから。
今日は中華よ〜♪

満足して帰途についた私と友人。
新しい買い物テリトリーを発見し、と〜ってもシアワセ。
う〜ん、でも見てないお店がまだまだあるわね〜。
無念だけど、この次の楽しみに取っておいてあげる。
湘南ギャル!?(大昔)としては、「湘南モール・フィル」という名前を付けられたら、こりゃやっぱ通わなくちゃってコトなのよ〜、
ねぇ?