Vol.48

夏祭り

趣味か?職業か!?と思うほど、どっぷりとPTAに浸かっていた時期があった。
子供が幼稚園の頃から始まって11年間!?

No!と言えない日本人の典型・見本と自認しているこの私、強く断ることのできない、人の良さそ〜なオーラが出てるらしく、ソレを見抜く達人に目を付けられた途端、いとも簡単に落とされる。

幼稚園、小学校、中学、高校。さすがに大学へは足を踏み入れないよう気をつけているが、卒業したはずの息子たちの学校で、今でも父母会OBみたいなことから足を洗えずにいる。

小学校では、たまたま役員在任当時、創立120周年にぶつかった。
すごい歴史のある学校で、これはメデタイ、お祝いだ〜!と張り切って周年行事を計画した。
でも先立つ資金はマッタク無い。
ゼロッ!だった。

神聖なる学問の場でお金の話は恐縮だけど、やっぱ先立つものがなくてはナァ〜ンにも出来ない。
式典や記念誌、学校への寄贈品のためにも稼がなくっちゃっっ!

子供たちが喜び、大人たちも巻き込み、地域も参加して楽しめる行事。
それはバザーだっ!
ご家庭の押入れに眠っているお宝を、可愛い子供たちの学校へ寄付して頂きたい♪

学校内には勿論、学区内の町内会へもご協力をお願いした。
土日は、あちこちの町内会館へお邪魔して受付けし、品物をお預かりした。
学区内の商店街からは、商品の寄付も相次いだ。
なんとアリガタイ!
何度もあちらこちらへ足を運び、自分たちの車で運んで集めた成果は、驚くほど盛況な会場に溢れかえっていた。

バザー当日、売り子の役員さんたちは、汗をぬぐう暇も無いほどお客さんの応対に追われ、山と積まれた品物は飛ぶように売れていった。
その売り上げは予想を遥かに超え、余裕を持って周年行事を考えられる額になった。

役員仲間は、顔を見合わせ、自分たちの思わぬ才能を認め合った。
誰が呼んだか、テキヤ軍団。

この盛り上がりに気を良くした軍団は調子に乗って、更なる企画を打ち出した。
夏祭り。

これはお金集めが目的ではない。
子供と学校と地域が一体になって、とにかく楽しめるコト。
子育ての理想的な繋がりを作るのが目的だ。
転任された先生方や、卒業した生徒達も、年に一度またここで会えるという同窓会的な意味もある。

一つの町内会では、なかなか大きなお祭りはできない。
お祭りが無い町内会もある。
みんなが集まってやれれば、それは大きなお祭りになる。

学区の各町内会ごとに、一つお店を出して盛り上げて頂く。
学校の施設を利用しているスポーツ等の団体にも、年に一度のご奉仕で一つお店を出してご参加頂く。
先生方も、時間外勤務?だけど一つお店を出して楽しんで頂く。

夏祭りには欠かせない、やぐらに太鼓、盆踊りはもちろんある。
子供神輿も登場する。
子供たちのマーチングバンドの演奏が披露される。
ビンゴ大会は、ハズレなしで商品が当たる。
ビンゴの収益金は、毎年どこか選んで施設や団体へ寄付している。

夏休みが終わる最後の土曜の夜、小学校の校庭は、まわりをぐるっとテントのお店が取り囲むように立ち、町内会のちょうちんがやぐらから放射線状にズラリとぶら下がり、通り抜けるのも大変なほどの人ごみで溢れかえる。

お店で売っているのは、小学生が買える金額の物ばかり。
食べ物は子供のお腹にちょうど良い少量。そして安い。
人件費はタダだし経費は材料代だけ。
赤字にさえならなきゃOK〜!という料金設定だから、行列ができるのは当たり前。

先生が大汗かいて焼いてくれた焼きそばは、格別のお味。
お父さんが煙にあぶられた炭火焼き鳥は、昼から焼き続けて用意してもすぐ売り切れる。
お母さんが用意したおもちゃやさんは、子供にゃ素通りできない魅力輝く、じゅわいよくちゅーるなお店。
私の担当は、ポップコーンと、ピザのお店だ。

夕方5時から8時までの大興奮。
子供たちの記憶に残るような、こんな夏祭りを10年続けてやっている。
始めた当時、息子たちのお友達だった小学生、可愛かった男の子はヒゲを生やした青年になり、やんちゃだった女の子は見違えるほど綺麗になり、みんなすっかり成人になった。

毎年、快く協力を惜しまない地域の方々、楽しみに参加してくださる老若男女と子供たち。
夏祭りもやっちゃおう〜!
と、勢いで始めたコトだったけど、これだけ沢山の方たちに喜んで頂けたら、やってよかったなァ〜と、ホント心からそう思う。

そういやぁ私って、学生の頃から勉強以外の文化祭とかに、ヤケに燃えてたっけ?
さぁて、お次は高校の文化祭だ!どら焼き売っちゃうぞォ〜ッ♪