去年の夏にタバコを止めてから、私は順調に太ってきた。
もちろん、太ろうと思ってタバコを止めたワケじゃ〜ぁない。
でも食後の一服というケジメがなくなったので、どこで食事が終わりなのかがハッキリしない。
デザートに果物を食べ、アイスクリームも食べ、お茶をすすればちょいとおせんべも摘みたくなり・・・と気が付きゃず〜っとエンドレス。

生まれてこのかた、どれだけ食べても太らない体質だったハズ。
もともと胃が丈夫な方じゃないし、食は細いし、どっちかって〜と胃下垂だから太れないと思い込んでいた。

ところが今回きっぱり禁煙し、寒い冬を越す為に体は脂肪を蓄えようとし、私は今までの人生の中でみごとに体重の記録を更新してしまった。

年を取ったら、多少はふくよかな方が綺麗だとは思ってる。
今までの私のような痩せぎすなおばあさんじゃ、シワもいっぱい、色黒も目立って、貧相かもしれない。

でもそれはもうしばらく先の話にして貰っといて、まだ海で遊ぼうってンだから、せめて去年着てたウェットスーツが入る体型は保ちたい。

毎日体重計に乗って、

「嘘だ、きっと壊れてるンだ。」とか、

「今日は、ちと食べ過ぎたンだ。」と自分に言い訳してきたが、そ〜も言ってらンなくなってきた。

私の海開きの日は、刻々と近づいて来てるのだ。

冷静に観察してみても、どうやらウエスト・腰・太ももあたりにたっぷりと贅肉がこびり付いているようだ。
この贅肉という言葉、これは贅沢肉ということか〜？
そう言いかえれば悪い気はしない。なんだか有り難いような、高級な霜降り和牛な感じ〜♪

イヤイヤ、そんなこと言ってちゃいけない。
たとえ霜降りだろ〜が三枚肉だろ〜が、こんなお肉は取れてもらわにゃ困るのだ。
頼む！出てってくれぇ〜。お願いだから・・・。
摘んでみたり、揉みだしてみたり、引っ張ってみたり。
そんな簡単なことで無くなるンなら、ダイエット業界はこんなには流行らない。

う〜〜む、こりゃいかん。
行動を起こす時がついに来てしまったようだ。

幸い朝早くに目が覚めた。
寒い冬には、もう一度ふとん被ってウトウトを楽しむところ。
でも今は春。
だんだん空気も柔らかくなり、朝の散歩も辛くない。

よっしゃあ〜っ！
意を決して飛び起きる。
行くぞ、ナッシュ！
ふあ〜わ〜Pィ〜〜（アクビ）、何がァ〜？
肝心の相棒、ナッシュはまだ寝ぼけてるケド、行くと決めたら散歩へ行くのだァ〜！

新鮮な朝の空気を肺いっぱい吸い込んで、早足でナッシュと歩き出す。
早朝だから、通勤の人もまだあまり歩いていない。
お年寄りが犬とゆったり散歩してる。
いつもの顔なじみの犬連れはまだいない。

ホントはカッコよく、ジョギングくらいしたいトコだが、焦っちゃ〜ァいけない。
姿勢を正し、タッタッタッと早足で歩くこと１時間半。
家へ帰ってお風呂につかり、腰湯で汗をかくこと、１時間。
何故か息を止めてそ〜っと体重計に乗る。
６００グラムも減っている〜！？

気を良くして毎日頑張る。
そして息を止めて体重計に乗る。

でも初日の減少が間違いだったのか、その後の体重に変化なし。
う〜ん、贅沢肉は、そうは甘くなかったか。

とりあえず三日坊主は乗り切った。
後は飽きずに、無理なく健康管理のつもりで続けよう。
きっと悪いことはないはず。気分もいいし〜ィ。

スクワットして、腹筋して、自転車こいでって、ほんの少しだけのトレーニングらしきこともしてみたけれど、なんだか体がリフレッシュできたようないい気分。
ま、私がやってる時間ぐらいじゃ〜、ラジオ体操程度の運動量だろうけどね。

そんな時、掛かっていた歯医者さんで親不知を抜く羽目になった。
覚悟はしてたが、案の定、しばらくは食事に不便な口となる。
お腹は空くから、離乳食みたいにしてちびちび食べてたが、口が疲れて思うように食べれない。

う〜ん、これってダイエットになるかも〜♪
傷口が治るまでに少しでも胃が小さくなってくれればシメタもの！？
さて、私の海開きまでに、この贅沢お肉は追放できるのだろ〜か？