Vol.29

トイレ

こっからは更に内容がエスカレートするので、デリケートな人はご遠慮を。

でか犬ナッシュも、引越しを機に室内犬へと昇格した。
大きいとはいえ、ナッシュだけ外にいるのは可哀想と言う家族の意見。
猫達とうまく折り合うのか判らなかったが、当たって砕ける我が家の流儀。

始めは顔を合わせれば、追いかけてたが、それもだんだん減ってきた。
今は気が向いた時だけ追いかけて、たまには猫にも追いかけられて、ほとんどは目の前歩いていても眺めていられるようになってきた。慣れって素晴らすい〜ィ♪

老犬アリスとは、普通に一緒に暮らしてる。

約十倍のその大きさの違いと、ひとまわり違いの年齢の差から、一緒に遊んだりのコミュニケーションは無理だと思うが、同居には何の問題もない。
でっかいナッシュが一歩引いて、ちっこいおばあちゃんに敬意を表している。エライ!

アリスは、既におもらし犬だから、室内ではオムツが離せないが、ナッシュのトイレはどうしよう。

朝の散歩、夕方か夜の庭でのトイレ。それで大抵は大丈夫。
それでも、室内トイレは必要でしょう〜?大型犬用のトイレっていいのがないンだよねェ〜。
そう言いながらこれも数ヶ月。
そして、やはり怖れていた事件は起きてしまったのだった!

ある時、友人が訪ねてくるので駅まで迎えに行った。
ついでに買い物して一緒に帰ってきた。
ドアを開けるとナッシュがヌウ〜ッと顔を出す。これはよくある事。
玄関でお留守番してて、「ボク、ず〜〜っと待ってたンだョ!」とやる。
ところがその日は、殺傷能力のある毒ガス付きナッシュだった。

見れば玄関から床の上に点々とゲリP〜がッ!
それもふんばりながら歩き回る癖のナッシュだから、足の踏み場もないほど、見事に張り巡らされたワナの数々。

しばし友人と絶句。ここで気を失うか、捨て身で掃除に挑むか、ふたつにひとつ。
意を決してワナの中へ足を踏み入れる。一歩一歩確かめながら進む勇気ある二人。
毒ガスは充満している。笑いが起きてくる。涙も出てくる。

トイレットペーパーを山にして掃除し、一抹の不安と共にトイレに流した。
不安的中。
トイレは詰まった!
ぎょえ〜!
溢れた・・・。

恐ろしい二次災害が勃発。
壊れかけた友人を家に残し、私はトイレ・スッポンを捜しに町へ走った。

偉大なるトイレ・スッポン。
原始的なその形態にして、完璧な仕事をしてくれる。
発明家に感謝!
おかげで世にも恐ろしい事件は、一件落着することができたのだった。

この事件から、急いでナッシュのトイレを設置した。
ナッシュを呼んで説明したが、ニコニコしながら中で寝てる。解ってないらしい。

そしてナッシュの隙を突き、猫がこれも自分達のトイレとして使い始めた。
やめてくれェ〜!大きいシートは高いンだから〜っ!!

猫や犬のトイレには、砂やトイレシートが必要で、買い物は重いしお金が掛かる。
ゴミも増えて資源の無駄だよね〜。衛生的じゃアないし。

犬猫の室内飼いがどんどん一般化してきたンだから、人間みたいな水洗トイレを、誰か発明家さん、考えてくれないかなァ。洗濯機置き場のあの大きなお皿みたいなのを改良したら良いと思うンだけど、どうかなァ?

それとも、人間のトイレが使えるよう、ウチの動物達、躾てみるか?ナッシュなら洋式トイレに座っていそうだし。

最近、ナッシュの散歩に、フン取りのマジックハンドみたいなのを使っている。ビニール袋で受け止めるから地面が汚れないし、なかなかいい。

ふんばりながら、オイッチニ、オイッチニ、歩くナッシュ、マジックハンドで受け止めながら追いかける変なオバサン。

道行く人の、笑いの的である。