生まれてこのかた、ウン十年。止まってる自転車に跨った経験は1〜2回あっても、走らせたことなんてマッタクなかった。
たいて〜の人は自転車に乗れるということは、当たり前のコトと思っているようだが、少なくとも「あゆ」と私にとっては、「かなり難しいコト」だった。
だから、息子達には小さい頃から自転車を与え、ホラ漕げ、ホレ走れと「乗れる人」になれるように特訓した。私は乗れないンだけどねェと言うと、なんでェ〜?ママも練習しなァ〜とは言われたが、勇気がでなかった。転んで膝すりむいても、と頑張るトシでもなかろうと思ったのである。歩きゃ〜いいンだし、車も運転できるンだしィ、電車もバスも乗せてくれるンだしィ〜。
ところがである。
それから更にいっぱいトシ喰った今、何故か自転車に乗ってみたくなった。
これも引越しが転機らしい。
駅へも歩けるし、近くにお店やさんもある。
歩いてほとんど何でも用は足りる。
でもあちこち自転車で探索してみたくなったのである。
テクテク散歩で歩くのは好き。ひとつづつ景色を楽しめるし、気に入ったお店だって覗ける。
自分で車を運転してると景色は見られない。アッというまに通り越しちゃうし、やたらに立ち止まれない。せっかく駐車場みつけて、車を降りて行ってみれば定休日だったりネ。便利な車も不便なコトがある。
家からちょっと離れてるけど、車で行くほどじゃあないってトコへ行くのには、自転車が一番と友達が言う。特に鎌倉は道が狭く、車で混んでるから、地元の人には自転車が便利なのだそうだ。
それも、カッコいい自転車よりも、ママチャリの方が荷物を積めて良いらしい。
帰りにおかずを買ってくるには、やっぱカゴは要るよね。
そこでママチャリ探しに近所のスーパーへ行った。
売り場の店員さんに尋ねる。
「初めて自転車に乗るンですけど、どういうのが乗りやすいンでしょうか?」
「初めてですかっ!?」
26と27インチがほとんどで、私が跨ってもつま先でしか立てない。そんなのコワイから、両足がしっかり地面に着く、タイヤの小さい自転車を探す。背が小さいからであって、足が短いワケじゃあない!と、22インチという可愛い自転車をみつけた。
どうせ可愛いのなら、折りたたみ式の方がカッコいいと思ったけど、初めての人には難しいかもと言われた。ザンネン・・・。
おまけに大好きなピンク色もなくて、普通のシルバー色だけ。しっかり乗れるようになったら、次は好きな自転車を買えばいいじゃんと、家族に慰められる。
でも、生まれて初めて自分の自転車を持てたコトが嬉しくて、友達にすぐ自慢した!
「じゃあ今度一緒に買い物、自転車で行こうね。」
「ええ〜!そんなの無理無理ィ。買い物積んでなんか走れるワケないじゃん!!。」
近所の公園で練習しようと思ったら、自転車進入禁止と書いてあった。どこで練習すればいいンだあ?
とにかく、転ばないってコトが第一目標だ!
ウチの前は砂利道だけど、しばし練習。
そしていきなり通りへ出て、材木座、目指して初・自転車旅行!
前を息子、後ろを夫の自転車に走ってもらって、お姫様のように守られながらも、必死にハンドルを握りしめる。
ひっくり返らないよう、両手を力いっぱい踏ん張り、それでもヨタヨタと、カトちゃんのコントのおまわりさんみたいに走る自転車。
ちょっとでも人や車が出現すれば、すぐに足が地面に着くから安全〜♪
ちょっと走っちゃあ、止まり、ちょっと進ンじゃあ、休み・・・。
後ろから来る車がクラクション、ブッブ〜、でも必死の形相の私を見てすぐ納得、笑いながら追い抜いていく。背中に初心者マークを背負って走りたい。
すれ違う自転車の人を見れば、なあんにも力なんて使ってないのにヨロケてない!でェ〜、ど〜して!?
やっとの思いで材木座へ到着。
すごい達成感!大旅行!新しい交通手段!?
歩くよりは、多分、少しは、きっと、速い?し、省エネだし、こりゃあ楽しい!(私のエネルギーは、かなり消費してる)
ペダルを漕がない時に、車輪のカラカラ回る音が上手な人みたい〜!
ペダルを踏み込む力で太もものぜい肉落ちるかなァ〜?
自転車に乗れるって、カッコいいジャン〜♪
興奮状態で、仲間に自慢する。
補助輪なくても、自転車に乗れたァ。
三輪車じゃなくても、ヨタヨタ走れたァ。
ウィンド前のウォームアップにはちょうどいいかも。
でも初挑戦のその日は、ものスゴ〜イ緊張で、へっとへと!に疲れたぁ。
暴れるハンドル全力で抑えて、翌日、両腕はバッチシ筋肉痛。
ウィンドよりもキツ〜イ、自転車初挑戦だった!
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