Vol.25

北風でも乗れるンだァ〜

騒がしかった夏が終わり、海の家も無くなった。
今はン♪もう秋ィ〜♪
誰もン、いない海ィ〜♪

海水浴シーズン中は、午後5時まではウィンドサーフィンは浜の端っこからしか出られない。
それにロープの張ってある海水浴場の中に、入っては、いけない。
なかなか肩身が狭いノダ。

そして浜に秋が来た。
まだまだ海水は暖かいし、楽しめる。
そこでウィンドの神様が、初心者特訓日・第二弾を計画してくれた。

みんなやる気充分!
この前の特訓のお陰で、初心者軍団はみんなウデを上げた!
初心者から初級者になれた!みたいだ?

神様がボートで海に出ていてくれて、見守ってくれていると言うだけで、私は人が代わったように遠くまで行ける。いつでも助けてくれると思うだけで、コワサが半減するノダ!

今回も神様はボートの上。
メガホン片手に指導してくれる。

ところが今日は、風が違う。
今までは南風の時だけ、海へ出ていた。
北風は出ちゃいけない風だった。

南風は海から陸へ向かって吹く風だから、万が一流されても、浜に着く。
ところが北風は逆だから、ほっとくと沖へ流されちゃうワケだ。
そんなことになったらホントに海外旅行だ。

おまけに陸には、山もあるしビルもある。
北風はいろんなモノに当たって、強くなったり弱くなったり、向きを変えたり。
今までのように、平和なアッタカイ風じゃあない。
スタートする体の向きもまったく今までとは違う、初めての経験。

何とか水の上を動き出すと、メガホンから神の声。
両手、両足の位置を言われたとおりにしていくと、思わぬ向きでボードは走り出す。

「そうそう、それがランニング〜!」

なに!?
ランニング?
おもちろいィ〜〜!

その後も「もっと沖へ出て〜」の神の声で、いい気になってどんどん沖へ。
そして右へ左へ、自由気ままに走り回る。
とっても良い気持ちだァ〜〜〜♪

今日は、お腹に巻いてるハーネスと言うフックのような物を、セイルに付いてるロープみたいなところにひっ掛けて乗る練習だった。
でも私のは長さが合ってなかったので、練習するのはまた今度にして、ウデの力だけでとにかく走り回っていた。楽しかったけど、同じ姿勢を続けていると指が固まって力が入らなくなってくる。

ハーネスは、お腹冷やさないようにって腹巻きの役目かと思ってたケド、これはやっぱりセイルにひっ掛けて乗ったほうが良いかも知れない〜。
振袖と言う名のウデのたるみには、いつまでもハーネス無しでがんばってウデの力だけで乗るのが良いかもしれないけど、握力が限界を越えて、帰りの車のハンドルが握れなくなる。

脱皮した初心者軍団は、疲れたヘロヘロの体でも顔は満面笑み。
楽しかったァ〜!!
みんな同じ感動を繰り返し呟いている。

年は取ってるし、難しいスポーツだから、なかなかうまくなんかなれない。
誰でも皆、みっともないくらい海へ落ちつづける。
でも励ましあって、褒めちぎりあって、ニッコニコで遊んでる。
そしていつのまにか上達してたンだァ〜!

これは素晴らしいコト。
なかなかこの感動は他には、ないです。
年を取ってても、泳ぎが得意じゃなくても、こんなに面白いスポーツを楽しめるなんて・・・。
やらないテはない。是非お試しあれ。

そしていつの日にか、海上をフルプレーニングでかっ飛んで、ジャイブしてカッコ良くまた走り去る私が・・・・・いるといいなあ〜。