雨と強い日差しの合間を見つけては、でかワン・ナッシュと散歩してる。
体はでっかいしコワモテの顔だから、まず何よりお行儀良く、他の人や犬に迷惑をかけないようであって欲しいと、日々の散歩も訓練の気持ちで行っている。
3ヶ月前に家に来た頃は、私が大型犬初心者のせいもあって、グイグイとリードを引っ張り、力で勝負の散歩だった。おかげで腕は筋肉痛、腰は痛いがお腹は引っ込み、思わぬナッシュ・ダイエットになった。なんせ老犬アリスの10倍の体重がある四駆のでかワンが引く力は、そりゃ〜凄くて、真剣にならざるを得ない。古タイヤでも引かせようかと、ホンキで考えた。
さあそれからはインターネットや本で、大型犬のしつけや訓練を読み漁り、勉強していった。
前の飼い主さんにもメールでいろいろと教えていただいて、どんどん散歩も上達した。
力が強い犬だから女性には散歩は難しいかも、ということだったので、なおさらしっかり練習して、いいコで歩けるようになって欲しいと頑張った。幸い家庭犬として訓練を受けていたナッシュは、ちゃんと横に付いて引っ張らずに歩けるようになった!やればできるジャ〜ン♪
人間に対してはとても友好的なナッシュだが、バリバリ元気な4才のオス。他の犬に売られた喧嘩は迷わず買おうという意欲がある。ワン!と言われれば、いつでも相手になってやるゼィと言わんばかりの前向きな姿勢である。
自分から喧嘩を売ることはないのだが、少しでもそのそぶりが相手に見られれば、飛び掛らんばかりの構え。飛び掛ろうとするその時には、もの凄い力で私など引きずられてしまう。
近くですれ違うときなど、ジッと相手の犬を見据え、耳はピンと立ち、全身で構えてる。
これは飼い主が頼りないから守ろうとしてくれてるのか?
う〜ん、その気持ちは有り難いンだけどネ〜ェ。
ある程度の距離があれば、すんなりやり過ごすことができるが、狭い道や不用意に近づいてくる犬、特にノーリードの犬はとっても困る。
横浜市の条例でも、犬の散歩はリードを付けると決まっている。
公園では、いつもそう放送している。立て看板にも大きく書かれてる。
それでも毎日、公園にはノーリードのワンコ連れがイッパイいる。
体がでっかいだけに、ただ飛びついただけでも、相手の犬に怪我をさせてしまうかもしれない。
私だって自分の体重の10倍ある人に飛び掛られたら潰されるゥ。
狂犬病の予防接種は受けているし、リードは常に両手で短く持っている。それでも、モメゴトは避けるに越したことはない。
平和主義の私に連れられたでかワンは、小さな小さなノーリードのワンコを見つけては道を変え、戻り、すれ違うしかない時には、なるべく広いところの隅っこで、穴の開くほどジ〜ッと見つめながら座って、通り過ぎるのを待つ。
ナッシュは、ノーリードの小さいワンコによく吠え立てられる。人間だったら体のおっきなプロレスラーには喧嘩ふっかけないのになァ〜。体のサイズにかかわらず、力試ししたいオスが理解できない。ナッシュがノーリードで、オンリードの小さいワンコに吠えたらヒンシュク買うだろ〜ナ。
ノーリード犬は、気の向くまま走り回り、呼べば来る(こともある)けど、どんなに興味を引かれることの最中でも必ずというワケではない。
遠くからナッシュめがけて一目散に飛んで来るノーリード犬。そして必死に名前を連呼しながら追いかけてくる飼い主。これがなかなか捕まらない。スリルと冷や汗。
だから散歩中は、常に他のワンコの動向に気を配り、すれ違いの場所を考え、イットキたりとも気は抜けない。前にも後ろにもノーリード犬で、立ち往生することもしばしば。
それでもメゲずに毎日公園へ出かけて行く。
遠くから見るだけでも、他のワンコに慣れる練習と思うから。
小さい犬だから離しても大丈夫、と思う飼い主さんは多いと思う。
飼い主さんには大丈夫でも、他人にとっては「ウチのコは大丈夫」ではないのだ。
小さい犬でも遊びのつもりで、幼児を追い掛け回して泣かせているワンコもいる。
小さな犬にだって噛まれれば、幼児や他人にとっては、痛いしコワイ。
私の犬バカ人生で2度噛まれた経験は、どっちもよその小型犬だった。
追いかけられた、飛びつかれた、噛まれた、だから犬は怖い、嫌いと言う人は多い。そういう経験者を増やして欲しくはない。
事故は、絶対起きないとは言えないンだから、車に乗るときシートベルトを締めるように、命綱は付けるべきだと思うンだけどなァ〜。
公園は、みんなの場所、特にお年寄りや小さい子供のためにあると思う。
体がご不自由になられたお年寄りが、リハビリのためにゆっくりと歩いている。
近所の保育園の子達が散歩に来ている。
お母さんが赤ちゃんに日光浴させている。
海と同じく、公園はみんなの場所、犬の運動のためだけの公園じゃあ〜ない。
犬が怖い人でも、安心して散歩できる公園でなくっちゃいけないと思う。
今のようにワガモノ顔のノーリード犬と、後始末してないフンだらけじゃ、そのうち公園は犬立ち入り禁止になりかねないと心配!
ルールとは、必要だから守る為に決められているコト。みんな解ってる。
でもオトガメなければ、大目に見てくれるだろ〜?と解釈されている。
だったら、どんどん積極的にトガメちゃえば〜いいのだァ!
お仕事を引退した元気なお年寄りに、威厳をもってパトロールして貰うのはどうだろう。
ノーリード犬を見つけたら、サッカーの主審みたいにホイッスルを吹いて駆け寄り、イエローカードを高々と挙げて貰う。相手が審判だから文句を言っちゃ〜ァいけないのだ。フンの後始末をしない飼い主にもホイッスル〜。周りにも知られてこれは恥ずかしい。
いつもノーリードの人だって、毎日ホイッスルを吹かれてたら繋がざるをえない。
その代わりノーリード愛好家で署名運動を起こして、ドッグパーク(ドッグラン)を作って貰う。
そして自分達で責任をもって、事故のないよう管理運営する。
いつものノーリードのメンバーが集まって、幼児の遊ぶすぐそばで犬達にボールを追わせて走らせているのを眺めながら、そんなことを考えていた。
この公園が私の貸し切りで、絶対に誰もいないとしたら、ナッシュにもボールを追わせてやりたいなァ。喜ぶだろうなァ〜。
今、ここでナッシュを離してみたら、あのワンコたちの中へ乱入してすごい事になるかなァ。しつけの程度としちゃァ、他のワンコとおんなじくらいなんだけどなァ〜。
悪魔のささやきが頭をカスメたが、その勇気はないから実行には至らず、おとなしくオンリードで帰ってきたのであった。
|