Vol.16

海の季節がやって来たァ!

スノボーグッズをしまい込み、やってきましたウィンドシーズン。

ゴールデン・ウィークが、私達の海開き。

天気は良いし、今年はとってもアッタカイ。

 

初心者用のニューボードは、とにかくでっかく、幅が広くて、頼もしい。

ベッドのようなデカ板を、ワッショイワッショイ引っ張り出すと、浜での注目度はバツグンだ。

チョットやソットの波なんかにゃ〜ビクともしない安定性。

でっかいワンコとの二人乗りが夢だ。

 

ウィンド仲間は、みんな中年。

平均年齢は、かなり高い。

それだけでも浜の注目度はかなり高いハズ。

そのほとんどが初心者で、デカ板に乗ってるときたら、只者ではない。

日ごろの運動不足とアルコール漬けでユルユルの体を、潮水で清めようと繰り出して行く。

 

そんな思いの人が多いのか、G.W.の材木座は大賑わい。

うまけりゃすぐに沖へ出て、空いてるトコで走れるンだけど、そうウマクは、いかないのが初心者軍団。

何度もセイルを引き上げる「人間ウィンチ」と化して、ずっと波打ち際で漂っている。

 

気が付きゃずいぶん流されていて、しょ〜がないからボードを引き引き、歩いて戻る。

これがウォータービクスとなり、また良い運動。

モンモンとしながら、魔の三角を描き続ける。

イメージどおりにいかないのが、中年初心者軍団。そして体力が続かない。

日が暮れれば、反省会と称してバーベキューで盛り上がる。

 

う〜ん、こんなハズじゃないだろ〜?

もうちょっとで、走り出すハズなのにィ〜。

なんでできないンじゃあ〜!

 

そんな気持ちでまた別の日にも挑む。

風が落ちてきたナと思ったら、ウマイ人達、どんどん上がって、いなくなる。

ふと周りを見回すと、なんと初心者軍団貸し切り状態の海となる。

こうなりゃどこへ流されようと、どこへ向かって走り出そうと、人様の迷惑にゃァならないゾっ!と安心したとたんに、ちゃんと乗れた。

風がなくなり、セイルはパタとも言わないが、静かに沖へ向かってデカ板は滑ってく。

うっひょ〜!気持ち良い〜ッ♪

小波も難なくチャプンチャプンと乗り越えて、ひょうたん島のようなデカ板は進むゥ〜。

次第に海の色が深くなり、ヤバイぞ、日本へ帰らなくっちゃとUターン。

ジャイブかタックだか知らないけれど、とにかくロープを握ってボードの向きを変え、岸へと向かう。

どれくらい来ちゃったかと見れば、波打ち際で見守る仲間の姿が驚くほど小さい。

でも老眼には、よく見える。

 

一往復で足はガクガク、手はブルブル。

それでも顔は、にっこにこ〜♪

これが楽しくって、ハマっちゃうンだよネ〜!

これなら、もうちょっと吹いた日にも乗れるンじゃないかって欲が出て来る。

交代に次々とアメリカ大陸を目指し、仲間は拍手で迎え、にっこにこで戻る初心者軍団。

 

風がないから日曜大工に精を出してたウィンドの神サマに、得意げに報告する。

吹いてる日の彼は、そりゃあ〜〜スゴイ!

サッとボードに飛び乗り、乗った瞬間、あっという間にカッ飛んで行く。

浜で見てても、他の人と、セイルの倒れ方が全然違う。

補助輪付き幼児用自転車に乗り始めた私と、F-1レーサーの神サマっていう感じ。

そんな神サマが優しく誉めてくれた。嬉しいネ〜!

 

今日は充分堪能して機嫌が良いので、日暮れ時、ワンコを連れて浜を散歩する。

人間ばかり遊んでいて、ワンコはホッタラカシじゃあ申し訳ない。

 

初めて海で遊ぶのか、でっかいワンコは体に似合わず、小波に驚き、尻込みする。

「コレ、生きてる〜?」

だましだまし一緒に波打ち際に入れば、足の周りを見回して驚くワンコ。

「こんなに生きてるお水がイルゥ〜!?」

たちまちその面白さに取り付かれたように、はしゃぎ出す。

 

よっしゃ、これで海のワンコのイッチョ上がり!

もう少しアッタカクなったら、リードを持ったまま泳がせてみよう。

これからの季節、毛皮着てちゃ暑そうだモンね。

浅瀬で跳ねてるお魚でも捕まえてくれたら、バーベキューでご馳走だ!

私も練習して、そのうちデカ板に乗せてあげるからネ!

それとも1馬力ならぬ、1犬力の犬掻きで引っ張ってもらった方が速いのかも?

 

でも海水浴シーズンに犬を入れると、いやがられるらしいンだよね。

ど〜してカナ?

裸だからいけないのかな?

水泳帽かぶらせて、海パン穿かせてみようかナ?

水難救助犬に勘違いされてイ〜かもネッ!?