Vol.6

冷蔵庫とカレンダー

私は冷蔵庫とカレンダーがないと、きっと生きていかれないと思う。

ご存知のとおり整理整頓をする才能に恵まれていない為(開き直り?いや自覚!)、大事と思われるモノはその辺に適当にほおって置くワケにゃいかない。(ん〜、私って実は几帳面なのかも?)

食卓テーブルの上には日々のワケわからぬ紙類が溜まっていく。食事を並べると大した品数でもないのに並べきれない事がある。ふと気づくとテーブルの半分をその山が占有してるのだ。テーブル上のお山には大した宝は埋めて置けない。捨て捨て人間に食前の空腹感から、ごく簡単にポイ捨てされるからである。なくても思い出さないくらいのモノしか置いておけなくなってきた。だったら捨てればいいんだけど、その判断をするのがめんどくさいのである。

そこでこりゃ大事というモノは冷蔵庫とカレンダーに貼り付けられるのである。冷蔵庫には、おびただしい数のマグネットが待機しており、電話連絡網、やらなくちゃリスト、どこぞの割引券、母の日にもらったカード、犬のお薬袋、私の書いたらくがきの絵(これは家族に見せる為。ねー見て見て!うまい?かわいい?)等がくっ付けられている。う〜ん、こうして見るとそれほど大事なモンばかりじゃないなあ〜。とりあえずって貼り付けた物も多々あることに気づく。

そして最近流行っているのが、人に頂いたスナップ写真。これは整理の仕様がない!そこで冷蔵庫を写真館にしてみたのだ。ん〜、Good♪〜!

しかし、いかんせん冷蔵庫の面積には限界があり、マグネットの数も足りなくなる。重ね貼りが始まり、だんだん一目瞭然とはいかなくなってきた。そろそろ捨て捨て人間の興味を引くところとなって来ている。マズイかなあ〜。それに風水によると冷蔵庫にいろいろ貼り付けるのは良くないとか。でもやめられない!
末っ子の猫、ポーが冷蔵庫の上に駆け上がる趣味を持っており、ときどき、大事なコレクションを蹴り落とすという暴挙を起こす。ぶつくさ言いながら適当に張りなおすので、だんだん美しさが損なわれる写真館ではあるが、気にはしていない。

私のお気に入りのカレンダーは予定が書き込めるタイプ。電話のそばにあるので、とっさのメモ代わりにいろいろ書かれてる。あとで見ると自分でも解読不可能。誰の電話番号だか悩んでしまう。カレンダーにはスケジュールの詳しい内容のメモや、期限付きの請求書等が張り付いている。ひと月経つとめくるのに重いほどで、整理せざるを得ないから、これは良い。それでもお米を配達してくれるトコなんかのチラシ広告は一年中黄ばみながらも健気にくっ付いてる。

もちろんカレンダーは私の手帳代わりとなっており、全ての私の予定を知っている。そうなると日記みたいな想いが入り込み、年が替わっても、なんだかもったいなくってすぐには捨てられない。丸められて黄ばんだカレンダーが家族の目に触れないトコに隠されている。自分でも見つけるとびっくりするし、数年前の自分の行動を感心しながら読みふけるという楽しみでもある。

 ノートパソコンをする定位置の壁には、私のメールアドレスやスクリーンネーム、ログイン名、パスワード、おまけに人のホームページ、メールアドレスまでメモがいくつも貼り付けられている。これも困った習性かもしれない。メモ帳でも用意しておけば良いのかな。でもそれがなくなると、ギャー、どこ行ったァー!と大騒ぎするのが目に見えているので、しばらくはこれでいっか?家族の冷たい視線に気づかぬふりをしつつ、ちょっとびくびくしながらも張り張りクセがやめられない私ではある。