Vol.97

盆と正月と誕生日が一緒に来た日

ネットで知り合った、アレックスの弟クンと、同じ訓練所で産まれたらしい一ヶ月ほど若いメスシェパちゃんがウチに遊びに来てくれた。

以前にも来てくれた弟クンとは、彼のお家にもお邪魔したので、会うのはこれで3回目。
会った瞬間から帰る車に乗る瞬間まで、ず〜っと、あがあがうひゃうひゃどったんばったん、遊びっぱなしの2匹なのだ。

今日始めて来てくれたメスシェパちゃんも、同じ屋根の下で暮らしただけあってか、顔がそっくりで親戚に間違いない!とみんなの意見。
ナッシュも同じトコ出身だから、今日はミニ同窓会ってコトになる。

兄弟親戚犬3匹の共通の癖が、水を飲みながら水入れの中に前足を突っ込んで掘り掘りし、ついでに顔を突っ込んでブルブルッと洗う事。
そしてボタボタボタ〜ッと水を垂らしながら、また遊びに突入する。

3匹が水を飲んだあとの床は、水入れの中より床の水を飲んだ方がいいくらいビッショビショになり、四輪駆動の3匹がドリフトしまくる滑る床になる。

うりそっくりな若い3匹シェパズは、パーツだけで見ると誰が誰だか区別が付かない。
首輪を見れば確認できるけど、ホントによく似た連中だ。

そんな若者たちに、おっさんナッシュも加わって、逗子マリーナへ散歩に行ってみる。
4匹のシェパがぞろぞろ連なって歩き、連れてるのがみんな女性だと、道行く人が呆れて振り返る。

「大丈夫かいな、あんな大きくて獰猛な顔した犬を、女の人なんかが連れていて。」

慌てて小犬を抱いて避難する人もいるけど、ニコニコ笑顔で声を掛けてくれる人もいる。
こういうコワモテな犬を連れてると、犬嫌いな人、犬好きな人がハッキリと分かりやすい。

「ほ〜、いまどき珍しいねえ。シェパード、ほとんど見かけないモンねえ〜。
おいで、おいで、おぉよしよし、良いコだ、良いコだ。」

釣りをしていた見知らぬオジサマが声掛けて、撫でてくれる。
犬達も尻尾振りながら、次々とアタマ撫でられて挨拶してる。

景色の良さと、愛犬の可愛さから、親ばかトリオは、犬達の写真を撮りまくる。
子供の写真撮るのとおんなじで、
「スワレッ!ここに座れぇ。待てっ!!」
「ハイッ!こっち見てぇ〜、ホレホレこっちィ〜、ピーピー。」
動こうとする犬を、
「待てぃぃっ!ス・ワ・レッ!!」

大騒ぎである。
そんな親ばかトリオたちの姿の方が、写真的にはずっと面白いハズだ。

すると、マリーナスタッフの黒服の女性が近づいて来て言った。
「逗子マリーナ構内では、許可無く写真撮影することはできません。なんの撮影ですか?」

よっぽど私たち親ばかトリオは、その熱意から、限りなくプロのカメラマンに見えたらしい。
それぞれポケットに収まる小さなデジカメをしまい、スゴスゴと退散したトリオであった。
犬嫌いな人だったンだね、きっと。
こんなコトは、しょっちゅうだから、慣れっこのシェパ飼いさっ!

いっぱい遊んだらお腹もすいて、近くのブルーポイントというレストランへ。
ここは店内も犬連れOK!という、アリガタ〜イお店♪
犬好きな人が経営してンだね、きっと。
4匹のシェパにも動ぜず、
「どうぞお好きなお席へ」と優しい。

テラスで秋の海を眺めながら、涼しくなった秋風に吹かれていると、とっても贅沢な時間が流れる。
足元には、貰った犬用のお水を、すぐに掘り起こしてこぼした連中が寝そべる。

ランチを頂き、午後の第二ラウンドのため、ウチに帰る。
アレちゃんのトレーナーさんが来て、みんなのシェパズも見てくれることになってるのだ。

顔や癖が似ていても、それぞれの気質が違うと、訓練もやり方が変わってくるのだろうか。
ボールが大好きなコ、叱られてもへこたれない強いコ。
親ばか達は、それぞれの悩みを相談し、扱い方のポイントを指導してもらった。

訓練は受けているけど、自信が無くなったり、伸ばすテクニックがあったり。
とっても参考になって良かったと、飼い主も満足、犬達は口も利けないほど?遊び疲れて、大満足で帰っていった。
 

いやあ、楽しかったねえ〜!
じゃあ、この後は、久しぶりにご近所シェパのA君の訓練を見学しようか〜?
ついでに、アレちゃんのおべんきょも、しよっか?

公園での、アレックスとA君の久々の対面は、
「A君〜っ!元気だったあ〜?」
「あっ!アレちゃんだぁ!!」
そりゃもう嬉しくって楽しくって、うひゃうひゃおひょおひょだ。

ひとしきりおべんきょして、遊ばせてもらって、さらに大大満足のアレックス。
夕暮れと共にウチに帰ったら、さすがのストーカー・アレックスも、もう寝たきりで動けず。
ナッシュなんて、どこで寝てるのかまったく気配すら無い。
今夜は泥棒さんが入っても、誰も起きそうにもない、静かな秋の夜長な我が家だ。

汗ばんだ肌に秋風が気持ちの良かった今日、アレックスと私にとっては、盆と正月と誕生日が一緒に来たくらい楽し〜〜い一日だった。