Vol.76

ダイエット・その5

タバコを止めたおかげで味覚が鋭くなったのか、何を食べてもウヒョウヒョ美味しい。
これからは特に、旨さと栄養が身に沁みる季節だ。

一年間の集大成のように果実は甘く熟し、魚は身がしまって脂が乗る。
美味しい食べ物が増えるし、寒さに向かって体は脂肪を蓄えようとするし、ダイエッタ〜には厳しい試練の季節となる。

一年を通して、常に体重には気をつけてきた・・・つもり!・・かなぁ〜?
「今日だけは、ま、いっか〜」
「残すのもナンだからこれだけは食べちゃおぅ〜っと!」
「デザートは別腹ぁ〜♪」
と、甘ぁ〜いボーナスを与え続け、下っ腹にはブ厚いタウンページお肉がしっかり貼りついた。

これだけ備えあれば、憂いなし!?
常に身につけて蓄えを持ち歩いていれば、どこで何があっても安心ってモンだ!?

骨と皮状態で保護され、飢えと乾きからものすごい食欲だった、うなぎ犬タイラー。
一日5食を平らげていた頃からは落ち着いたけど、ナッシュと同じ量を食べちゃあ多すぎる。

出されたものは残さず食べる良いコのタイラー、次第に太ってきた。
同じ犬でも、ナッシュとは犬種が違うから、体形も違う。
ナッシュは胸が深く厚みはそれほど横にはないが、タイラーの胸は深さと同じくらい横に厚く、丸太ン棒のような胸だ。

スポーツ大好き、体育会系の犬だから、どうも心臓は肥大気味らしい。
スポーツ心臓ってコトかもしれない。
きっと肺もかなりでかく、丈夫にできてるンだろう。
日々の栄養と運動で、体にどんどん筋肉が付いてマッチョ化してきてる。

でもこれ以上行っちゃ〜いかん、と、餌の量を減らしてナッシュの6割に。
このサイズの犬には、これくらいがちょうど良い量だと思うンだけど、見た目にはあまり変化は出ない。
白い犬って膨張色で太って見えるのか?丸顔の人みたいでちょっと可哀想な気もする。

猫軍団は、室内飼いでぬくぬくと暮らし始めてから、着々と体重を増やしてきた。
マリン自称6才、タックン5才、その他4才、と中年を迎え、太る時期でもある。
避妊去勢手術もしているので、太る言い訳がいくつもそこらにゃ転がってる。

タックンは、走ると、大きな下っ腹がゆさゆさと左右に揺れる。
ミニ・ホルスタインのような巨乳の持ち主。
座るとお腹のお肉で後ろ足が見えなくなる。

ティンキーウィンキーは、パッツンパッツンに膨らんだ胴体の固太り。
ちょっと突付いたらバ〜ンッ!て破裂しかねない。
ディプシーはその名のとおり、でぶだしぃーだしぃ〜。

ポーは身軽にワケもなく走り回っているせいか、太っているほうではない。
ラーラはすべてがちっちゃくて足も短くて、ぽちゃっとした体形。
マリンは一番ちっちゃくて、まあまあ普通の体形かなぁ〜。
でもどこを見回しても、痩せている猫は見つけられない。

夏の暑さも去ったある日、ディプシーが、猫トイレで頑張る姿が何度もあり、おしっこが出ていないという事態が起きた。
また、タックンと同じ、おしっこに砂が溜まって詰まったか!と獣医さんへ飛んで行く。

診察の結果は、膀胱炎。
おしっこは詰まっていなかったけど、残尿感から何度もトイレに通っていたらしい。

獣医さんへ通って治療を受けたが、気圧配置の影響を受けて!?治っても何度も膀胱炎を繰り返している。
そういう猫が他にもいるそうだ。

そして宣告されたのが、太り過ぎ。
「肥満は、あらゆる病気の原因になりますから、ダイエットしたほうがいいですよ〜。」

猫は犬のように、際限なく食べてしまう事がなく、自分の食べられる量を知ってるから大丈夫!と思ってた。
でも、それって間違いだったみたいね〜。

可愛いくって、なでていると癒し効果バツグン、タックンの大きなタプタプお腹。
これも、誰が見ても肥満としか言いようが無い。
覚悟を決めて、やるか?キミ達、ダイエット!

動物は特にこの時期食べたいだろうし、冬に備えて太りたいだろうし、辛いよね〜。
でもキャットフード、ドッグフードに、季節感はあるのかい?
秋味・秋刀魚フード<新米マツタケご飯入り>、冬の味覚・蟹フード<鍋仕立て風味>なあんてぇ〜のがあったら美味しそうだけど、今のところは、まだ無さそうだ。

猫とは言えど、キミ達も犬にならって一日きっぱり2回だけの食事と決めるのだ。
だらだら食べずに一気に平らげ、後は空腹に耐え、次の食事をじっと待つ。

だから常にお腹が空いてる我が家の猫達。
私の顔をじいいい〜っと見つめ、目が合えばニャア〜〜と猫なで声で甘えてくる。
「ニャアンか、くれぇ〜〜〜!」
「ひもじいニャア〜〜ン!!」

腹八分が大事なのよ〜、少しほっそりしたンじゃない〜?とダイエットの成果に期待する。
そして獣医さんの精密な体重計で量ってみれば、デブ猫ディプシーの6.8キロの体重が6.5キロに減っている〜!

やったぁ〜300グラムのダイエット成功じゃ〜ん!
「いや、このコなら5キロ台まで頑張ってください。」

そして我が家の台所には、腹ペコの泥棒猫多数が徘徊することとなり、まだまだにぎやかな秋の夜長が続くのであった。