Vol.20

同窓会

幼稚園、小学校、中学・高校、短大と行ったけど、今でも毎年同窓会が開かれていて、欠かさず出席してるのは、6年間一緒だった中学・高校の学年会だけ。

一年に一度、七夕の頃、集まっている。

寮制の学校だったので、日本全国のみならず、海外からも在籍していた。ニックネームは出身地名・国名がそのまま付いていたりした。

当時、学校の創設者の先生が、全ての生徒の顔と名前などを覚えられる為にと、一学年の人数を150人位までに抑えていた。だから同学年の中で知らない者はいないし、上下の学年の事も良く知っている。

多感な思春期、同じ釜の飯を食べ、24時間一緒に暮らせば、家族以上の結びつきになった。

毎年の学年会には、同学年のみならず上下学年、中途入退学、誰が来ても大歓迎というウェルカム精神もあってか、日本中から50〜60人も集まってしまう。一学年の人数から考えれば、すごい出席率。お世話になった個性的な先生達を囲み、大騒ぎである。

横浜市内の学校だったので、この学年会は毎年、中華街の有名な老舗で開かれる。誰でも知ってる店だから人を誘うにも説明が楽なので、いつもそこに決めている。毎年この時期だから、地方の仲間は事前に仕事の都合をつけ、飛行機、新幹線を使い、市内にホテルをとって、中華街を目指す。

いつの間にかみんな一緒に年をとり、ミテクレは間違いなく中年のオジサン、オバサン。

でも何故かそこで会えば、簡単に昔へタイムスリップする。シワも弛みも白髪も髪の薄さもお腹の出っ張りも、マ〜ッタク視界に入ってない。みんな十代になりきって、はしゃいでる。

会社の社長さんも、学校の先生も、病院のお医者さんも、すっかり昔のワンパク少年に戻り、話し言葉までその頃のまんま。普段どんな顔して仕事してるのか、心配になる。

大丈夫?ちゃんとしてる?

昔話に花が咲いてるのもいれば、仕事の相談してるのもいる。今の悩みを打ち明けるのもいれば、数年前の苦労をしみじみ語るのもいる。

今の私達の年令は、社会では中堅どころだから、それぞれ苦労は多く、迷い、思い悩む。

賑やかな会の中で、隣に座った友人から聴いた話を親身になって受け止め、心から理解し、癒している。そんな思いやりがあちこちにある。

あるのが当たり前だと思っていた会社が無くなったり、思いがけず病気したり、夫婦がうまくいかなくなったり、老親を介護し、見送ったりする。
仕事、健康、家族、親兄弟。失うことなんて、想像もしなかったモノをなくす悲しみやショック。
強い人間なんていない。打ちのめされ、落ち込んで、自信を失う。

幼なじみのような昔の仲間は、当時よりも、年をとった今の方が、ず〜っと優しく思いやりがある。
友の話にじっと耳を傾けてる。力になれる方法を考えてる。
真剣に聞いてくれる友がいるだけで、充分癒されるし有り難い。

しっかしなんて優しい奴らなんだろ〜。
何かあったらオレ達に相談しろよ、と言う気持ちが伝わってくる。
親も兄弟ももういなくなった私には、夫・息子・でっかいワンコの次に心強い存在だァ。

年に一度、数時間の会では、大勢と話すことは難しい。
少しづつの時間、少ない言葉でも話の内容は深く、貴重だったりする。
気が済むまで、沢山の友と語ってみたいものだが、何日あっても足らないンだろう。

子供達の写真、奥さんの写真、ペットの写真、見せ合って、でも老眼なりかけの私達は、写真を離して見たり、照明の明るいトコ捜したり。10代のつもりの少年少女が、いつの間にこんな大きな子がいるのか、つながらず、理解できず。

30年前の写真と今を比べて見る。
若い頃は誰もが見た目は美しいけど、中身は今の方がずっと魅力的!
年をとると、人間、深くなる。味も出てくる。
若い時より、心が表情に出てくる中年の顔の方が、作るの難しいと思う。

オトコの顔は履歴書、オンナの顔は請求書っていうけど、綺麗に年をとりたいナ。
品の良い、可愛いおばあちゃんになりたい〜。
美しく老いるには、美しい心で生きていくっていう努力が要る。普段の心の持ちようとか、考え方とか、気をつけなくっちゃ!

心遣いの優しい友達が、70年代の青春の音楽をCDとMDにしてくれた。

キャロルキングが直接、魂に歌いかけてきた。

You've Got A Friend ♪〜